米電子フロンティア財団(EFF)は米国時間3月22日,米Viacomが根拠のない著作権を主張して動画共有サイト「YouTube」からビデオを削除させたとして米連邦裁判所に提訴した。EFFは,Viacomに対して損害賠償と差し止めによる救済とともに,問題とされるビデオ・クリップ「Stop the Falsiness」が著作権を侵害するものではない,とする確認判決を求めている。

 Stop the Falsinessは,米MoveOnと米Brave New Filmsが作成したもの。コメディアンのStephen Colbert氏が右翼メディアをパロディ化した番組「Colbert Report」について皮肉交じりにコメントしている。2006年8月にYouTubeに投稿されたビデオには,Colbert ReportのクリップとホストのColbert氏に関するオリジナル・インタビューなどが含まれていた。この番組を提供する米Comedy Centralの親会社であるViacomは2007年3月,YouTubeにビデオを削除するように要求。このビデオが同社の著作権を侵害すると主張した。

 EFFの弁護士であるCorynne McSherry氏は,「クライアントが作成したビデオは,言論の自由に基づくものであり,Colbert Reportのクリップを正当に使用している。Viacomは,これがColbert ReportやComedy Centralの別の番組『Daily Show』で,他の局のニュース報道をパロディ化して使用しているのと同じように正当なものだと理解しているはずだ」とコメントしている。

 MoveOn.orgのエグゼクティブ・ディレクタのEli Pariser氏は,「Viacomのようなエンタテインメントの大手企業は,独立系のビデオ・クリエータや言論の自由を抑圧すべきではない。著作権の保有者は,自らの主張を二重にチェックして政治的なコンテンツをYouTubeのようなサイトから削除する前に,言論の自由の権利について考えるべきだ」と述べている。

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