写真 PASMOでSuica対応の自動改札を利用しているところ JR新宿駅
写真 PASMOでSuica対応の自動改札を利用しているところ JR新宿駅
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 月曜日の朝、どんなに利用者数が増えたとしてもトラブルが出ることはないだろう――。

 3月18日に始まった首都圏の私鉄・バス共通の電子マネー・サービス「PASMO」の運用を統括するパスモの担当者はこう語る。

 19日月曜日は、PASMO開始後初めての通勤ラッシュを迎える。このため、休日より一段と高い量の利用者データがPASMOのサーバーに集中。大きな負荷がかかり、システム障害の原因となり得る。しかし、こうした問題が起こる可能性は「極めて低い」(パスモの担当者)という。

 PASMOの利用データは、自動改札機から各駅に置いた管理サーバーにいったん蓄積。一定の間隔でセンター側に送信している。サーバーには1日分以上を蓄積できる容量を備えており、「PASMOのセンター側に処理が集中することはない。データは定期的にある程度のまとまりでセンター側に送り、バッチで処理することにしている」(同)という。こうした仕組みのため、「今日はPASMOのシステム全体やプログラムに問題がないことが、実際の運用で確認できた。明日以降も大丈夫だろう」(同)とカットオーバーの成功を安堵の声で語る。

 もっとも関係者には気が抜けない日々が続く。一般に大規模なシステムでは、カットオーバーから数日間はいつ問題が起きてもおかしくない。「プログラムがすべてのルーチンや引数の組み合わせの処理を通過するまで、一定の時間がかかる」(大規模なトランザクション・システムに詳しいITベンダー幹部)からだ。実際、パスモや各社局は3月20日など数日後まで、“臨戦態勢”を組んでいる。

 パスモは「A社で買ったPASMOを、B社の改札で利用」など、約40万ケースのテストを実施した(写真)。なお、利用者の「駅から駅」への乗車パターンは12億3000万通りにもなるという。