東京地方裁判所は3月16日午前10時,ライブドアの元社長,堀江貴文被告に対し,懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡した。堀江被告は,同社幹部らと共謀し,2004年9月期連結決算で,投資事業組合を介した自社株の売却益など計約53億円を売上高に不正計上したほか,関連会社の株価をつり上げるため,虚偽の企業買収情報を公表したとして起訴されていた。

 一部報道によると,堀江被告は,入廷するとすぐに裁判長から証言台に立つように指示された。裁判長は堀江被告が証言台に立つと判決の主文を読み始め,「被告を懲役2年6カ月に処する」と述べた。堀江被告は主文の読み上げが終わると,裁判長に一礼し,憮然とした表情で被告席に戻った。判決の理由として裁判長は「起訴状の通り」と述べたという。

 ライブドア元取締役の宮内亮治被告をはじめとする堀江被告の元部下3人は,「堀江元社長から不正をするように指示があった」と証言していたが,堀江被告は「不正を指示した事実はない,もともと不正などなかった」と証言。真っ向から主張が食い違っており,裁判所がどちらの主張を正しいと判断するかが注目されていた。判決を受けて,堀江被告は控訴するとみられる。


堀江被告は,報道陣の裏をかき,通用門とは別のところから裁判所を出たが,気づいた報道陣が車の前に立ちふさがった。車は一瞬スピードをゆるめたが,すぐまた加速して走り去った
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