CentOS Projectは2007年3月13日,Red Hat Enterprise Linux 5(RHEL5)のソース・コードを用いてビルドしたLinuxディストリビューション「CentOS 5」のベータ版を公開した(写真1)。
2007年3月14日にはRHEL5が発表されているが(関連記事その1,その2),今回公開されたCentOS 5のベータ版は,2006年11月16日に公開されたRHEL5のベータ2版のソース・コードを用いている。CentOS Projectによると,CentOS 5正式版については,RHEL5発表後2週間以内でのリリースを目標にしているという。
ベータ版は,x86互換の32ビットCPU用向け(i386,3.34Gバイト)と同64ビットCPU向け(x86_64,3.88Gバイト)の2種類。同プロジェクトのサイトからダウンロード,あるいはBitTorrent経由でISOファイルをダウンロードできる。
CentOS 4での強化点は,RHEL5の機能強化と共通だ。(1)カーネル2.6.18,glibc2.5,gcc4.1.1などの最新のモジュールを用いたこと,(2)仮想化ソフトXenを組み込んだことにより複数のOSを同時に動作できること,(3)共有ストレージ上に構築できるクラスタ・ファイル・システムGFS2を利用できること(写真2),などである。
RHEL5との違いもある。まず,ロゴや商標など米Red Hat社などに権利が属する部分は取り除かれている。商用ソフトウエアも組み込まれていない。また,RHEL5では入力した「インストール番号」(キー)により,インストールされるパッケージの構成が変化するが,CentOSではキーは採用されておらず,インストール時に自由に構成を選択できる(写真3)。