米Microsoftは米国時間の3月14日,同社の商標に似せたドメイン名を不当に登録した「サイバー不法占拠者」(Cybersquatters)に対し,英国と米国で新たに9件の訴訟を起こしたと発表した。同社はこれまで,米国で米Maltuziなどを相手取って4件の民事訴訟を起こしたほか,英国でも5件で提起している。英国Dyslexic Domainに対するドメイン名の商標侵害訴訟と,米国2件の民事訴訟で和解が成立したことも明らかにした。

 サイバー不法占拠者は,「winowslivemessenger.com」や「micr0soft.co.uk」のように,Microsoftが所有する商標と間違えるような文字列を取り入れたり,スペルの一部を変更したドメイン名を不当に登録する。誤ってアクセスしたユーザーから,オンライン広告などによって不正に利益を上げることが狙いだ。Microsoftは商標を侵害するドメイン名に対する世界的な取り組みを通じて,過去6カ月で1100件以上のドメイン名を取り戻したという。

 6000件以上のドメイン名を登録していたとされるDyslexic Domain社との和解条件には,Microsoftに対する金銭の支払いが含まれる。一方,米国での2件の和解では,被告に対する最終差し止め命令や合計300万ドルの支払命令が含まれている。

 「この問題に対するMicrosoftの姿勢と行動が刺激となり,ブランドが悪用されているほかの企業も行動を起こすことを期待したい」。Microsoftの上級弁護士を務めるAaron Kornblum氏は,このようにコメントしている。同社は,米国と英国以外でも知的財産法に違反している可能性のある登録について調査を進めている。

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