米Red Hat社は2007年3月14日(米国時間),同社の商用Linuxディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux 5」(写真1)を発売した。Red Hat Enterprise Linux(以下,RHEL)は企業分野で広く使用されているLinuxディストリビューションの一つ。
約2年振りの新版となるRHEL5の主な特徴は,(1)オープンソースの仮想化ソフト「Xen」の搭載により1台のコンピュータ上で複数のOSを同時に動作できること,(2)64ビット・プロセッサ対応が進んだこと,である。
今回発売したRHEL5では,用途やシステム規模に応じた4種類が用意された。サーバー向けの「Red Hat Enterprise Linux」と「Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform」,デスクトップ向けの「Red Hat Enterprise Linux WS」と「Red Hat Enterprise Linux Desktop」である。それぞれの違いや価格は,表1の通り。
また,Red Hat Networkによりソフトウエアをアップデートする仕組みである「Red Hat Network Satellite」が仮想化に対応した。それにより,Red Hat Enterprise LinuxのゲストOSを自動検出して管理できる。
分類 | 製品名 | 内容 | 価格(同社のオンライン販売価格) |
サーバー | Red Hat Enterprise Linux | 小規模システム向けのサーバーOS。CPUのソケット数が2つまで,ゲストOS数が4つまで動作可能 | 349ドル~ |
Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform | 基幹システムでも利用可能なサーバーOS。CPUのソケット数やゲストOS数に制限なし。「Red Hat Global File System」や「同Cluster Suite」などの高可用性ソフトが利用できる | 1499ドル~ | |
デスクトップ | Red Hat Enterprise Linux WS | パワー・ユーザーやソフトウエア開発者向けのデスクトップOS。CPU数(マルチコアでも1つで計算)は2つまで | 179ドル~ |
Red Hat Enterprise Linux Desktop | 電子メールやWebブラウザを使う一般ユーザー向けのデスクトップOS。CPU数(マルチコアでも1つで計算)は1つまで。メモリー容量は4Gバイトまで | 2500ドル(10デスクトップ)~ |