第4回The Linux Foundation Japan Symposium
第4回The Linux Foundation Japan Symposium
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NECソフトウェア東北 佐藤尚氏
NECソフトウェア東北 佐藤尚氏
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柴田次一氏,Randy Dunlap氏,Andrew Morton氏
柴田次一氏,Randy Dunlap氏,Andrew Morton氏
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 「日本からのパッチでext3ファイル・システムの最大サイズを拡大した」(NECソフトウェア東北 佐藤尚氏)---The Linux Foundation Japanは3月13日,第4回The Linux Foundation Japan Symposiumを開催,国内外のLinuxカーネル開発者が講演を行った。

 NECソフトウェア東北 佐藤尚氏は,ファイル・システム改良の経験を講演した。2005年からファイル・システムext3のサイズを拡大する開発を行い,基盤となる部分のパッチがLinuxに採用された。これにより32ビット環境での最大ファイル・サイズは2Tバイトから4Tバイト,最大ファイル・システム・サイズは8Tバイトから16Tバイトに拡大した。

 2006年10月からはext4で,稼働中にデフラグを解消するオンラインデフラグ機能を開発しており,現在プロトタイプ版のパッチをコミュニティに提案している。「2007年2月に米国で開催されたLinux Storage & FilesystemWorkshopでも発表,著名なLinux開発者と議論を交わした」(佐藤氏)。

 “Linusの右腕”とも呼ばれるLinuxカーネルのメンテナAndrew Morton氏は,カーネル開発の現状を紹介。ストレージ管理,メモリ管理,メモリー・ホットプラグ,RAS機能などに関して講演した。仮想化に関しては,KVM,コア・パラバーチャライゼーション,VMWare VMIインタフェースのマージが行われている。XenのdomUのサポートは,カーネル2.6.22で行われる見込みだ。

 Christoph Lameter氏は「Linuxと高性能コンピューティング」と題し,何千ものプロセッサで動作するためのLinuxの改良などについて紹介した。NASA Columbiaのスーパーコンピュータは10240個のCPUで動作している。こういったスーパーコンピュータを動かすため,LinuxはNon Uniform Memory Architecture (NUMA)と呼ぶアーキテクチャをサポートしている。

 パネルディスカッションではAndrew Morton氏, Randy Dunlap氏, 柴田次一氏がLinuxカーネルの新しい開発者向けにカーネルパッチを作る際のヒントを語った。「大事なのはRERO(Release Early, Release Often),アイデアの最良の表現は仕様ではなくコードだ」(Dunlap氏)

◎関連資料
第4回 The Linux Foundation Japan Symposium講演資料