総務省は3月13日,イー・モバイルから受けた基地局の開設計画の変更申請を認定したと発表した。イー・モバイルは,1.7GHz帯を利用した携帯電話サービスを3月31日から開始する。基地局の開設計画の変更により,人口カバー率50%の達成が関東地方では2年,その他の地域では1~3年遅れることが明らかになった。

 携帯電話サービスを提供するには,基地局の設置時期や設置数といった計画を,総務省に申請しなければならない。イー・モバイルは2005年11月に,開設計画を申請して総務省に認定されている(関連記事)。

 当初の計画では,2006年度中に関東で,2007年度中にその他の地域で人口カバー率50%を達成する予定だった。しかし,開設計画の変更で人口カバー率50%を達成するのは,関東,東海,近畿は2008年度,北海道,信越,九州は2009年度,東北,北陸,中国,四国,沖縄は2010年度に繰り下げられた。これに伴い,2011年度末時点の加入者数見込みを,505万契約から421万契約に下方修正した。

 開設計画を変更した理由について,イー・モバイルは「NTTドコモからローミング・サービスを受けられることになったため,基地局への投資を後ろ倒しすることにした。また,ネットワークの設計変更で基地局設置工事への着手が遅れた」と説明している。

 イー・モバイルはNTTドコモからのローミングを受けられるため,自前基地局の開設が遅れてもカバー・エリア面での問題は小さい。そのため,営業計画は当初から変更せず,2011年度末で500万契約を超えることを目指すとしている。