ウィルコムとジュピターテレコム(J:COM)は3月12日,ケーブルテレビ(CATV)網を,PHSのインフラ・ネットワークに利用する実証実験に成功したと発表した。具体的には,PHSの基地局とバックボーン網を接続するエントランス回線として利用する。

 この実験は,2005年8月にスタートした情報通信研究機構(NICT)からの委託研究の一環として実施された(関連記事)。東京都練馬区高野台でJ:COMのCATV網に基地局10台を設置して,PHSサービスのエリアを構築。このエリア内でPHS端末を利用して,発着信の接続率,通話品質,データ通信速度を検証したところ,現在のPHSサービスと同等の品質を得られたという。

 現在のPHSサービスでは,エントランス回線にNTT東西地域会社のISDN回線を利用している。ウィルコムは,今回の実験を通じて「CATV網がISDN回線の代替になることが確認できた」と評価。今後は商用サービスへの適用に向けて検討するとしている。