トランスコスモスは3月12日,コールセンター向け分析ソリューション「顧客の声(VOC)分析デスクサービス」を3月30日より開始すると発表した。コールセンターに集まる顧客の声の分析,分析結果を踏まえたマーケティング施策の立案,実行支援までを一環して提供する。

 VOC分析デスクサービスはトランスコスモスが運営を代行する企業を対象としたソリューション。オペレーション効率を追求する通常のチームに加え,分析精度を追求するVOC分析デスクを別途設置する。通常のコールオペレーションと分析オペレーションを相互連携させながら運営する。これにより,コールセンターにおいて,顧客の声を分析し,結果に基づいた早期の施策立案が可能になるという。同社では不良品や不具合の発生,風評被害の予兆などの早期発見,ナンバーポータビリティなど新制度導入の影響やキャンペーンの反響の定期観測などの利用を想定している。

 導入時は,顧客企業のコールログ(電話を介した顧客とのやり取りのデータ)をまずテスト分析して診断。分析できる状態のデータかどうかを調べ,必要な場合は業務ルールやシステム改良などの改善策を実行する。その後,分析用のコールログを残す「専門チーム」と,分析やレポート作成を行う「分析担当者」で構成するプロジェクトチームを立ち上げる。

 分析担当者は野村総合研究所認定の「テキストマイニング初級」を取得した社員が担当。現在,約70人の分析担当者がいるという。専門チームはコールセンター業務において,習熟度の高いスタッフを2~3人選出して担当する。

 同社はこれまで,一定期間におけるアンケートやコールログなどに記録される文章データを,野村総合研究所の「TRUE TELLER」をはじめとするテキストマイニングツールを使って分析する「Text Valuator」を提供してきた。ただし,「データの受け渡しから分析,レポート提出まで2~3週間かかる」(トランスコスモスMCMサービス統括サービス企画本部DBマーケティングソリューション部の北出大蔵氏)という。今回のVOC分析デスクサービスは,Text Valuatorよりもリアルタイム性を重視したソリューションで,「毎日でもレポートを提出可能」(トランスコスモスの北出氏)だという。

 初期費用は導入規模にもよるが,テスト分析,スタッフの研修費なども含め200万~300万円。毎月の運営費として,分析担当者の人件費が発生する。