写真●日本無線が開発したモバイルWiMAX対応のASN-GW(上),基地局(中),カード型端末(下)
写真●日本無線が開発したモバイルWiMAX対応のASN-GW(上),基地局(中),カード型端末(下)
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 日本無線は3月12日,モバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005)に準拠した通信システムを開発したと発表した。開発した通信システムは,ASN-GW(access service network-gateway),基地局,カード型端末の3種類からなる(写真)。このシステムを,NTTドコモに実験用として納入した。

 ASN-GWは,基地局を上位のIPネットワークに接続したり,基地局間のハンドオーバーを制御したりする装置。数台の基地局を収容し,コアIP網のルーターに接続する形になる。基地局と端末の通信に,20MHz幅と広い周波数を使う点が特徴だ。2048個のサブキャリアをFFT(高速フーリエ変換)処理できる高速な演算部を実装している。

 今回発表した装置が対応する無線周波数帯は2.5GHz帯,基地局の最大送信電力20W。RF(radio frequency)部を変更すればほかの周波数帯にも対応できる。

 今後,2007年9月をめどにさらに小型化・低コスト化したモデルを開発し,市場に投入する予定だ。ただし,「それが商用サービス向け機器になるかどうかは未定」(日本無線)という。当面は国内市場に注力するが,将来的な海外展開も視野に入れる。システムの価格や売り上げ目標については未定としている。