NTTデータは2007年度から、金融機関向けの外国為替関連システム事業を強化する。国際銀行間通信協会「SWIFT」が運営する国際的な金融決済ネットワークに接続するためのパッケージ製品提供などで実績のあるジェトロニクス日本法人を、オランダのジェトロニクス社から買収すると2月26日に発表したのはその一環だ。SWIFT関連のシステムを足がかりに、メガバンクなど大手顧客からの受注増加を目指す。

 SWIFTの国際ネットワークに接続するための製品提供やシステム開発は、SWIFTの認定を受けたSIベンダーにしかできない。認定制度はサービスの提供内容などにより4種類あり、パッケージ製品の販売権などがある最上位の「ビジネス・パートナーズ」は、「各国で1~2社しかない」(NTTデータの小金澤陽一郎金融戦略プロジェクト企画本部部長)。

 日本でのビジネス・パートナーズは、ジェトロニクス日本法人と住商情報システムだけ。そのうちの1社を買収することにより、NTTデータは「SWIFT関連の製品提供からシステム開発までをワンストップで提供できるようになる」(小金澤部長)。

 ジェトロニクス日本法人の売上高は、2005年12月期で138億3200万円。この半分近くがSWIFTを中核とする外為ソリューションという。

 NTTデータは、ジェトロニクス日本法人株の70%を蘭ジェトロニクスから取得する。買収完了は5月の予定。最終的な買収金額は決まっていないが、本誌推定で40億~60億円程度になるとみられる。蘭ジェトロニクスは、買収完了後もジェトロニクス日本法人株の30%を保有する。