「Microsoftのセキュリティ・スイート『Windows Live OneCare』はとても使用に適さない」という内容のレポートが公表されたことに対し,米Microsoftは3月7日(米国時間),同スイートの新版「OneCare 2.0」のベータ版を間もなく提供開始すると発表した(関連記事:最優秀アンチウイルス・ソフトは「AntiVirusKit」,最下位は「Microsoft OneCare」)。新版は,機能強化により,家庭内の全パソコンを常時かつ包括的にメンテナンスする方向にセキュリティ機能を絞り込む。

 Microsoftの関係者は「Windows Live OneCareは新機能とパソコンを複数台まとめて管理できる環境を消費者に提供し,今後も進化し続ける」と語る。「複数のパソコンを所有する家庭がどんどん増えることから,OneCareバージョン2は,パソコンが複数台ある典型的な家庭と家庭用ネットワークへの対応を大幅に強化した」(Microsoftの関係者)

 Microsoftによると,OneCare 2.0は現行版「OneCare 1.5」の全セキュリティ機能を備え,家庭内のパソコン最大3台で利用できるという。さらに,無線接続用のセットアップ/セキュリティ機能や,ブート時間最適化,月例レポート,オンライン写真バックアップ(利用には追加料金が必要),ネットワーク接続したパソコンの集中管理/メンテナンス,プリンタ共有,自動調整といった機能を搭載する。

 ただし,現行版はセキュリティ・テストで非常に見劣りする結果だった。アンチウイルス・ソフトウエアの比較を行う独立系オンライン組織AV-Comparatives.orgがテストしたところ,OneCare 1.5の得点は17製品のなかで最低を記録した。そのため,AV-Comparatives.orgはOneCareに正式な格付けを与えていない。このような厳しい評価を下されたセキュリティ製品はOneCareだけだ。ところがMicrosoftは,「現実世界の各種標準に対応するセキュリティ製品向け認証/試験の欧州におけるデファクト・スタンダード」と称する独立系セキュリティ製品検査組織West Coast Labsの認証システム「Checkpoint」で,OneCareが性能認証を取得したとしている(関連記事:米Microsoftの「Windows Live OneCare」,ICSA Labsなどの性能認証を取得)。

 Microsoftは,OneCare 2.0のベータ版を4月終わりに,最終版を2007年第3四半期にリリースする計画だ。OneCare 2.0ベータ版は,MicrosoftのWebサイトでユーザー登録すれば入手できる。