写真1 NECが我孫子事業場で公開したNGNのインフラ機器群
写真1 NECが我孫子事業場で公開したNGNのインフラ機器群
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写真2 NECのNGN戦略を説明する広崎膨太郎執行役員専務
写真2 NECのNGN戦略を説明する広崎膨太郎執行役員専務
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 NECは3月7日、同社の次世代ネットワーク(NGN)の事業戦略説明会を開催した。通信部門の本拠地、千葉県の我孫子事業所で大型ルーターや光伝送装置、呼制御サーバーなど、NGNのインフラとなるネットワーク機器の動態展示を交えて進めた(写真1)。

 NECの通信部門を統括する広崎膨太郎執行役員専務は、NGN関連ビジネスの進捗状況と売上げの見通しについて言及した(写真2)。2007年3月期はNGNに関連する通信機器の売上高が約600億円に達することを明かし、今後3~4年後の中期的には「年間で4000億円近くまで成長する」との見通しを示した。

 また、NGNでは通信回線を介してアプリケーションやサービスを提供できる。システム構築(SI)の事業でもNGNを利用するようになるため、「SIでもNGNを使って中期的には年間4000億円程度を売り上げる。通信機器との合計でざっくりと年間1兆円ほどの効果がある」(広崎執行役員専務)と見立てる。

 もっとも、こうしたNGNビジネスの進展とは逆に、既存技術の通信機器の売上高は落ちていく。顧客ごとに個別に一から構築する“手組み”のSIの売上げも減る可能性が高い。

 この点について広崎執行役員専務は「減収となる分野の具体的な数字はない」としたものの、「NGNによって、通信とコンピュータが真に融合する。今までにないような新たなビジネスが生み出されるのは確実だ。これはNTTグループのNGNトライアルに参加しながら見極めていく。単にレガシーの売上げが新規のものに置き換わるだけではない」(同)との考えを示した。