日本オラクルは3月7日、インメモリーデータベース製品の新版「Oracle TimesTen In-Memory Database 7」を、4月3日から出荷すると発表した。2005年6月に米オラクルが米タイムズテンを買収してから初の本格的なバージョンアップ製品で、「Oracle Database」と同等の手厚いサポートを提供。積極的な拡販に乗り出す。
Oracle TimesTenは、メモリー上にすべてのデータを展開して高速処理を実現するデータベース製品。新版では、データベース製品「Oracle Database 10g」独自のSQL文に対応して互換性を高めたほか、Oracle Database上のデータを、リクエストに応じてOracle TimesTenに読み込む動的キャッシング機能などを強化した。加えてサポート期間が5年間の「Premier Support」、無期限の「Sustaining Support」を新たに提供する。
日本オラクルがOracle TimesTenの販売でターゲットとするのは、高速処理を必要とするハード機器への組み込み用途のほか、バックエンドのOracle Databaseと連携して大量のトランザクションを高速処理する企業向けアプリケーションの大きく二つの領域。組み込み向けでは通信ネットワーク機器や防衛関連装置、工程制御システムなどを想定。例えばNECはNGN(次世代ネットワーク)サービス向けの加入者情報管理サーバーで、Oracle TimesTenを採用した。企業向けアプリケーションでは大手金融機関やチケット販売会社、インターネットゲーム会社などから引き合いがあるという。
Oracle TimesTenの販売パートナーは現在、アシストや伊藤忠テクノソリューションズ、沖電気工業など9社。インメモリーデータベースの市場開拓期と位置付け、組み込み向けの機器を持つ大手ベンダーやオラクル製品の有力販売パートナーである大手ソリューションプロバイダなど少数でスタートしている状況だ。三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長は「TimesTenの用途は今年大きく広がる。それに合わせてパートナーの裾野も広がっていく」と話す。
パートナーへの営業・技術支援策として、「Performance Architect Community(仮称)」を4月後半にも設立する。サンプルプログラムや検証データなどの技術情報を提供することで、TimesTenを扱う技術者を育成することが狙い。技術者向けの研修コースも5月から提供する。ユーザー企業への提案時に、Oracle TimesTenによるアプリケーションの高速化の効果を検証できる簡易パフォーマンス評価キットを提供する。
価格はOracle TimesTen上に作成するデータベースのサイズによって異なる。データベースサイズが2ギガバイト以下の場合、1プロセッサ当たり150万円。日本オラクルは同事業で2007年5月期に6億円、2008年5月期に10億円の売り上げを見込む。