写真 日本IBMがWebサイトで公開している注意文書
写真 日本IBMがWebサイトで公開している注意文書
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 米国やカナダ、バミューダ地域において、サマータイム(夏時間)が2007年から3週間前倒しで現地時間の3月11日の日曜日から実施される。サマータイムは時刻を通常よりも1時間前倒しにする制度。エネルギー問題を背景に実施されるものだが、情報システムの運用面で問題が出る可能性がある。

 システムやアプリケーションの開始や終了の時刻がずれることで、データの同期処理に問題が出たり、ログのタイムスタンプがずれるといったトラブルが想定される。対象となるユーザーは、OSやミドルウエア、アプリケーションなどで新しいサマータイムに対応できるかどうか、国内外のシステムをチェックする必要がある。事業継続計画(BCP)の観点からすべてのリスクを洗い出すべきだろう。

 ITベンダーは「日本国内で該当するお客様は少ないと思われるが、対象となる国との間で同期処理をしていると影響を受ける可能性がある」(日本IBM)と警告(写真)。日本IBMのソフトウエア同ハードウエア日本ヒューレット・パッカード(日本HP)日立製作所のように大手ITベンダーなどが主要製品における対処法をWebサイトに公開している。

 製品やアプリケーションの実装によっては設定の変更で対処できるものもあるが、中にはパッチを適用しなくてはならない製品もある。

 例えば、日本IBMはUNIX OSの「AIX」、日本HPもUNIX OSの「HP-UX」に対して、バージョンによってパッチの適用が必要としている。また、日立はシステム管理製品群の「JP1」の一部に対してパッチを提供している。Javaについては最新版を使うように推奨しているが、日本IBMのようにバージョン更新を避けるためのツールを公開している場合もある。この他のシステムやアプリケーションでも、各ITベンダーが対処法を掲載しているので、注意が必要だ。

 なお、新サマータイムは終了時期にも注意が必要だ。例年の現地時間の10月最終日曜日であったものが11月第1日曜日まで延長される。冒頭で述べた開始が4月第1日曜日から3月第2日曜日となるのとあわせて、約1カ月の期間延長である。

【3月8日9時訂正】記事中,「2週間前倒し」としていましたが「3週間前倒し」の誤りです。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです。