「Windows Vista」を完成させ,共同副社長だったJim Allchin氏が引退したところで,米MicrosoftはまたもやWindows部門の大がかりな再編成に着手した。Windows Vistaが開発に5年かかり,そのあいだ何度も大きく遅れてしまったのに対し,Microsoftは次期Windowsをそれよりずっと迅速にリリースしたいのだ。

 今回の再編成で,副社長のBill Veghte氏が新設されるWindowsビジネス・グループの担当責任者となり,Windows部門全体を統括しているSteven Sinofsky氏の指示を仰ぐ。Sinofsky氏は,Allchin氏の後任で,Windows事業とMicrosoftの弱点であるオンライン・サービス事業「Windows Live」を統括するKevin Johnson氏の配下にある。

 Windowsビジネス・グループは4つの部門に分かれており,Veghte氏の下で著名な幹部社員が各部門を担当する。それぞれの責任者は,Windows製品管理グループの製品開発がセキュリティ技術部門トップだったMike Nash氏,マーケット拡大グループの新興製品マーケティングが消費者向けWindows製品を仕切っていたWill Poole氏,Windowsソフトウエア保護&コマース・グループのオンライン販売事業(例えば「Windows Marketplace」)と海賊版対策プログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)」が元マーケット拡大グループのJoe Peterson氏となる。Windowsクライアント・マーケティングは,引き続きMichael Sievert氏が率いる。なお,Windows部門で製品管理担当ジェネラル・マネージャを務めていたBrad Goldberg氏が同部門を離れるものの,社内での消息は明らかにされていない。