写真1 ノーツ/ドミノ8を説明する日本IBMの澤田千尋Lotus事業部長
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写真2 “ハノーバー”のコード名で呼ばれていたノーツ8の画面
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写真3 ノーツ8上で「OpenOffice.org」を使って文書を閲覧しているところ
写真3 ノーツ8上で「OpenOffice.org」を使って文書を閲覧しているところ
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写真4 米IBMのWeb2.0への取り組みを説明するソーシャル・コンピューティング担当ジェフ・シック副社長
写真4 米IBMのWeb2.0への取り組みを説明するソーシャル・コンピューティング担当ジェフ・シック副社長
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 日本IBMはグループウエアLotus Notes/Dominoのユーザー向けイベント「Lotus Spring Forum 2007」を開催。日本IBMの澤田千尋Lotus事業部長が基調講演で「いままで、コード名で“ハノーバー”といっていたものがノーツ/ドミノ8になる。近々オープンベータを始め、今夏には製品を出荷したい」と、国内での投入時期について説明した(写真1)。3月2日に東京の同社事業所で開催したもので、同7日には大阪で行う。

 会場の多くの参加者の注目を集めたのが新クライアントの「ノーツ8」の機能だ(写真2)。特にオフィス・ソフトの標準搭載について、食い入るように見つめていた。ノーツ8はオープンソースのオフィス・ソフト「OpenOffice.org」のサブセットを搭載しており、ワープロや表計算、プレゼンテーションといった文書を閲覧/編集できるようになる(写真3)。オフィス・ソフトにおけるデータ形式の国際標準「ODF(オープン・ドキュメント・フォーマット)」にも対応している。

 澤田事業部長はこの機能を「マイクロソフト・オフィス“もどき”」と呼び、「ノーツにオフィスのライセンスがついてきたら、マイクロソフト・オフィスは多くのユーザーにとって必要なくなる」とする。もっとも、マクロやファイル形式、関数などにおいて互換性がきちんと保たれない場合もある。IBMは今後この点をユーザーにきちんと説明する必要があるだろう。

 ノーツ/ドミノ8の全体的な特徴については、「Web2.0の技術や考え方の取り入れ」(澤田事業部長)として、今後正式に発表予定のSNS用プラットフォーム「Connections」や、コンテンツ管理の「Quickr」、といったロータス製品との連携機能を強化する。また、インスタント・メッセージングの「Sametime」もノーツ/ドミノ8との連携機能をウリにする。「企業内では、若手を中心にインスタント・メッセージングがコミュニケーションの手段として知らず知らずのうちに使われている。であれば、SametimeをIT部門で正式に導入しサーバー側でログを記録しポリシーを管理すべきだ」(澤田事業部長)。

 基調講演では澤田事業部長の後に、米IBM本社のソフトウェアグループ、ソーシャル・コンピューティング担当ジェフ・シック副社長が登壇(写真4)。IBM社内におけるWeb2.0の活用と、ノーツ/ドミノ8におけるWeb2.0の取り込みについて説明した。

 シック副社長は「イノベーションと成長への要求が、Web2.0の採用を加速させている。組織の内や外、職位の上や下を問わず情報を交換するための仕組みが必要だ。それぞれ単品のツールはあるかもしれないが、ノーツ/ドミノ8はそれらを統合したものだ」と締めくくった。