グループウエア大手のサイボウズは、社外から同社のグループウエアやデータベースなどにアクセスする新サービス「サイボウズ リモートサービス」を2007年3月5日から提供する。主に同社製品導入済みの中小企業を対象に、2008年1月までに600社以上への導入を見込む。

 サイボウズ リモートサービスを利用すると、VPN(仮想専用線網)を構築しなくても社内のサイボウズ製品に社外からアクセスできるようなる。VPNの代わりにサイボウズが用意したリレー・サーバーを経由して、社内のサーバーにアクセスする。ファイアウォールの設定や新たな機器の導入は必要ない。管理者にVPNの専門的な知識がない場合や、VPNの構築が難しい海外拠点へのアクセスなどにも利用できる。

 社外から社内のサーバーにアクセスするため、サイボウズはセキュリティに配慮した。同サービスでは、ユーザーごとに発行されるクライアント証明書を、サーバーとエンドユーザーのパソコンにインストールする。エンドユーザーはこの証明書を使ってリレー・サーバーにアクセス。リレー・サーバーを経由して、ユーザーの社内のサイボウズ製品を利用する。ユーザーの社内サーバーにはリレー・サーバーと接続するための専用プログラムをインストールしておく。

 証明書を持たないユーザーからのアクセスはリレー・サーバーで遮断されるため、不正なアクセスを防げる。ただしこの方法では、携帯電話機の場合に証明書が利用できないため、クライアント証明書のコードを利用して生成されるユニークなURLでリレー・サーバーにアクセスする。

 サイボウズ リモートサービスの年間ライセンス費用は2種類ある。Office 6、ガルーン2、デヂエ、メールワイズの4製品のうちいずれか1製品にアクセスできる「スタンダード」の場合、10ユーザーで年間7万8000円(税別)。4製品すべてにアクセスできる「プレミアム」は同10ユーザーで年間12万8000円(税別)だ。サービス利用開始の導入時には初期設定費が別途3万円(税別)必要となる。サイボウズによると、VPNを構築する場合に比べ年間で4万円から多い場合で約80万円の運用コストを節約できるという。同社のWebサイトまたは、大塚商会や内田洋行などのサイボウズ オフィシャルパートナーから購入できる。