NTT東日本のIP電話サービス「ひかり電話」の一部企業ユーザーが3月2日の午前、電話をかけることができない状態となった。電話の着信はできている。NTT東は2日午前9時45分に問題を把握し、同日午後に公表した。

 問題が発生したのは企業向け電話システムの「αGX」で、ひかり電話の企業向けメニュー「ひかり電話オフィスタイプ」を利用しているユーザー。αGXは、ユーザー側に置いて回線やサービスをコントロールする「主装置」と、ビジネス用の電話機で構成するシステム。主装置にひかり電話のほか、加入電話やISDNといった外部回線が接続できる。

 この主装置内のファームウエアにあるバグが顕在化したことで問題が発生した。NTT東は前日3月1日にαGXの機能追加のためファームウエアを更新。2日11時まで約2000の企業ユーザーの主装置がこのファームウエアをダウンロードしてしまったという。

 NTT東は、主装置のファームウエアを前バージョンに戻すことで対処している。正常に稼働することを確認した上で、2日午前11時45分に措置をとった。ユーザーが主装置の電源をいったん落としてもう一度入れることで、ネットワーク経由でファームウエアを入手。バージョンを戻すことができるという。

 NTT東はユーザー個別に復旧方法を告知している。ユーザーからは、2日午後2時の時点で114件の不具合報告があったという。NTT東は2006年秋に、ひかり電話の大規模な障害を起こしている。今回のトラブルはひかり電話のサービスそのものが原因ではないが、ユーザーにとってはひかり電話が利用できなくなったことには変わりがない。NTT東は昨秋の問題を受けソフトウエアの検証体制を整備しているが、さらなる強化が求められる。