写真1 ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店頭で予約状況を説明する千本倖生・代表取締役会長兼CEO
写真1 ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店頭で予約状況を説明する千本倖生・代表取締役会長兼CEO
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写真2 店内で実施しているウィルコムとイー・モバイルのデータ通信カードによる速度比較デモ
写真2 店内で実施しているウィルコムとイー・モバイルのデータ通信カードによる速度比較デモ
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 イー・モバイルの千本倖生・代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者,写真1)は3月3日,大手量販店のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaの同社販売ブースを訪れ,3月1日から先行予約申し込みを開始した同社のパソコン/PDA(携帯情報端末)向けデータ通信サービス「EMモバイルブロードバンド」の予約状況などを説明した。千本会長は「初日は予想の3倍以上の予約が取れた。2日目も初日の8割くらい」と,好調な出だしを切ったことをアピールした(関連記事1関連記事2)。

 予約の実数は明かさなかったものの,初日,2日目を合わせて数千の先行予約が獲得できたものとみられる。というのも,同社は当初1年間で30万から40万加入の獲得を目指しており,同社の種野晴夫・代表取締役社長兼COO(最高業務責任者)は3月1日の先行予約申し込みの開始イベントで,「それらのうちの1割を先行申し込みで獲得したい」と発言していたからだ。同社のサービス開始は3月31日。サービス開始時点の加入者数は,電気通信事業者協会が4月初旬に発表予定の「携帯電話・PHS契約数」により明らかになる。

 さらに千本会長は,予約しているユーザーや端末の状況についても説明した。それによると,予約ユーザーはビジネス・コンシューマーと呼ばれる層が多く,端末はデータ通信カードではなくPDA型の「EM・ONE」(エム・ワン,型番は「S01SH」),契約自体は2年間の使用を確約する「データプラン(にねん)」が多いという。データプラン(にねん)でEM・ONEを契約すると,端末価格を含めた初期費用は3万9800円となる(関連記事3)。EM・ONEの予約がデータ通信カードよりも好調な理由として「センシティビティ(感度)の高い人が予約しているため」(千本会長)だとした。

ウィルコムのデータ通信カードとの比較展示も実施

 ただし千本会長は,「ボリュームが出るのは本当はデータ通信カードだと思った」と語っており,データ通信カードに対する期待感も示した。ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店内には,EM・ONEとPCカード型データ通信カード「D01NE」の実機を使ったデモ・コーナーを設置しており,PHS事業者ウィルコムのデータ通信サービスとの体感速度を比較するデモも披露している(写真2)。ウィルコム,イー・モバイルともヨドバシカメラ店内に屋内型基地局を設置しているため,いずれも良好な電波状況の下で通信速度を比較できる。

 また店内では,固定ブロードバンドとの速度比較も実施していた。下り最大3.6Mビット/秒で月額5980円という固定料金のEMモバイルブロードバンドなら,固定ブロードバンドとの競合も十分あり得るからだ。ヨドバシカメラの担当者は「固定ブロードバンドの開通工事などが面倒と感じるユーザーが,持ち帰ってすぐに使えるという理由でデータ通信カードを買っていく。3月31日のサービス開始以降は,データ通信カードの売れ行きも伸びるのではないか」と予想する。問題は,住宅エリアがきちんとサービス・エリアになっていくかどうかだが,千本会長は「住宅地なども手抜かりなく展開する」としている。

 イー・モバイルは,3月1日からヨドバシカメラ,ビックカメラ,コジマ,さくらや,ソフマップで先行予約申し込みを開始している。千本会長は「来週からはヤマダ電機でも申し込みを始める」ことを明らかにした。