NECの小林一彦取締役執行役員専務(右)とシフィのラジュ・ベゲセナ社長
NECの小林一彦取締役執行役員専務(右)とシフィのラジュ・ベゲセナ社長
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 NECは3月1日、インドの大手データセンター事業者であるシフィとシンクライアント事業で提携したと発表した。シフィはデータセンターを利用したアウトソーシング事業や、インターネット・カフェ事業などでNECのシンクライアント・システムを利用する。2009年までの3年間で、約10万台の端末、約6000台のサーバーを販売する計画。インドでのシンクライアント事業の売り上げは、2009年に約8000万ドルになるとNECは見込んでいる。

 NECは6月から、シンクライアントの端末とシンクライアント用の仮想PCサーバーなどをセットにしてシフィに供給する。シフィは、自社のデータセンターに仮想サーバーなどを設置し、アウトソーシング事業の顧客にシンクライアント端末を貸し出してサービスを提供する。また、インド国内にある同社のインターネット・カフェ約3500店舗や同社が保有するコールセンターでも、順次、NECのシンクライアントを採用していく計画だ。

 都内で記者会見したシフィのラジュ・ベゲセナ社長兼CEOは、「インドでは、パソコン市場自体がまだ黎明期。米国では1000人に950台の割合で普及しているが、インドでは1000人に14台だ。その分、シンクライアントが普及する可能性が大きい」と市場の成長力を強調した。

 NECにとって今回の提携は、日本、欧州、北米に次ぐ、シンクライアント関連事業の海外展開の一環だ。NECの小林一彦取締役執行役員専務は、「4月以降、中国や東南アジアなどアジア・太平洋諸国でもシンクライアント関連事業を進めていく」方針を示した。NECはシンクライアント関連事業について、今後3年間で全世界で1500億円の売り上げを目指している。