NECの小林一彦取締役執行役員専務(右)と印シフィのラジュ・ベゲセナCEO兼社長
NECの小林一彦取締役執行役員専務(右)と印シフィのラジュ・ベゲセナCEO兼社長
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 NECは3月1日、インドでISP事業やデータセンター事業などを展開するシフィとの提携を発表した。NECの仮想PC型シンクライアントシステム「Virtual PCCenter(VPCC)」を、シフィのデータセンター事業やPCアウトソーシング事業などを通じて拡販する。NECの小林一彦取締役執行役員専務は「インドにはグローバル企業が集まり、世界のデータセンターの集約拠点として成長している。PC市場は黎明期にあり、シンクライアントシステムには大きなチャンスがある」と、提携の意気込みを語った。

 VPCCは、仮想化したクライアントPC環境をサーバー側で集中管理することで、運用コストの削減や高度なセキュリティを実現するシンクライアントシステム。NECは昨年11月にVPCCを発売しており、今後3年間で1500億円の売り上げを計画している。

 今回の提携によりNECは今年6月末から、最大20個のPC環境を利用できる専用のオールインワン型セットモデルをシフィ向けに出荷する。加えて今年末には、100台のシンクライアント端末と6台のサーバーを組み合わせ、障害時の自動復旧機能などを備える専用のハイエンドシステム向けのセットモデルを提供する。製品は、NECインディアを通じてシフィに提供する計画で、NECインディアには、シフィ向けのサポート組織(人員数15人)を設置する。

 シフィはVPCCを、アウトソーシングサービスの形態でインド企業に提供する計画。具体的には、シフィのデータセンターにサーバーを設置し、ユーザー企業にはシンクライアント端末だけを貸し出し、運用サービスなどと合わせて、パソコンの月額利用料を徴収するモデルを展開する。そのほかシフィは、自社のインターネットカフェ事業やコールセンター事業にもVPCCを活用する。

 NECは今後3年間で、VPCCクライアント10万台、VPCCサーバー6000台をシフィに販売。シフィとの提携をテコにインドにおける事業拡大を図る狙いで、2009年のインドでの売上高は、2006年比倍増の2億ドル(うち8000万ドルがVPCC)に伸ばす計画だ。