日本ユニシスは2月28日,ネットマークスの株式と新株予約権を公開買い付けによって取得すると発表した。同日開催した取締役会で決議した。買い付け価格は1株8万300円で,期間は3月5日から4月12日まで。日本ユニシスは,ネットマークスの筆頭株主である住友電気工業と2月28日付で「公開買い付けに関する契約書」を締結。ネットマークスは,公開買い付けを経て将来的に日本ユニシスのグループ企業となる見通しだ。

 日本ユニシスは,連結売上高が3000億円を超える東証一部上場の大手システム・インテグレータ。システム・インテグレーションやアウトソーシング,コンサルティングなどを展開し,金融や製造,流通など幅広い業種の顧客を抱えている。一方のネットマークスは,東証一部上場で連結売上高は600億円弱の中堅インテグレータ。ネットワーク・インテグレーションやセキュリティ・ソリューションなどに強みを持つ。日本ユニシスは,ネットマークスを傘下に収めることによって,ネットワーク関連ソリューション事業の強化を図りたい考えだ。

 日本ユニシス系のインテグレータとしては,100%子会社のユニアデックスがネットワーク・ソリューション事業を展開している。ネットマークスもユニアデックスもシスコ製品によるIPソリューション事業を展開するなど共通部分も少なくない。これについて,日本ユニシスは「ユニアデックスは保守が中心の会社。ネットワーク・ソリューションが主力のネットマークスとのシナジー効果が出せる」(広報部)と説明している。

 住友電工は,保有するネットマークスの株式7万4773株(発行済み株式総数に対する持ち株比率42.76%)を公開買い付けで応募する予定。またネットマークスは同日,子会社のスターネットの株式すべてを住友電工に売却することを決議した。

 今回の公開買い付けでは,日本ユニシスが取得する株式に上限が設定されていない。ネットマークスは「上場廃止を企図するものではないと理解している」としているものの,日本ユニシスがネットマークスの上場株式数のうち75%超を取得した場合には,株式上場廃止基準によって1年間の猶予期間を経て上場廃止になる可能性がある。