日本ユニシスは2月28日、通信機器販売などを手掛けるネットマークスの株式と新株予約券を、公開買い付けにより取得することを発表した。既にネットマークスの筆頭株主である住友電気工業の同意を得ており、買収が成功する公算が高い。日本ユニシスとネットマークスは、2006年7月から協議を開始していた。

 買い付け期間は3月5日から4月12日まで。買い付け価格は1株につき8万300円、新株予約権が1個について1円である。買い付け予定数は8万949株となっている。ネットマークスの子会社で、住友電気工業グループ向けのネットワーク・サービスを提供しているスターネットについては、その全株式を住友電気工業に売却する。

 売上高5000億円を目指す日本ユニシスは、主に基幹系システムの構築やメインフレームなどのハードウエア販売が収益源。子会社であるユニアデックスなどがシステム保守やネットワーク関連のサービスを提供している。

 ただ、最大手であるNECや富士通、NTTグループのバックアップがあるNTTデータなどと比べると、通信分野は手薄となっている。NTTグループやKDDIがNGN(次世代ネットワーク)の構築に力を注ぐなど、動きが激しい通信分野で取り残される危機感があった。ネットマークスを買収することで、総合ITベンダーとしての体制を整えるのが狙いである。

 ネットマークスは東証一部上場。シスコのルーターやスイッチをはじめとする通信機器の販売だけでなく、ネットワーク構築、IP電話関連のシステムやセキュリティ対策ソフトまで、ネットワーク関連事業を幅広く手掛けている。