米IDCが米国時間2月26日に,2006年第4四半期のサーバー市場に関する調査結果を発表した。それによると,工場出荷時の売上高は152億ドルで,前年同期と比べ5.2%増加した。しかし,出荷台数は前年同期から横這いとなった。
ボリューム・サーバー(価格2万5000ドル未満)の売上高は前年同期比2.1%成長した。しかし,以前のように市場の原動力になっておらず,「ボリューム・サーバーが,ミッドレンジとハイエンド・サーバーの成長率を下回ったのはこの10年で初めて」(同社)。
ミッドレンジ・サーバー(価格2万5000~49万9999ドル)の売上高は前年同期比5.4%増で,4四半期連続のマイナス成長からプラスに転じた。ハイエンド・サーバー(同50万ドル以上)は同11.5%増で,2四半期連続で成長した。
IDC,Worldwide Server Groupプログラム担当副社長のMatthew Eastwood氏は,「大規模企業も小規模企業も,ITインフラの簡易化と仮想化に向けて,大がかりな投資を行っている。これがインフラ拡張,メモリー増設,I/Oに対するニーズを生み出しており,平均販売価格の高い製品を伸ばす結果となっている」と説明する。
メーカー別にみると,米IBMが売上高ベースの市場シェア37.9%を獲得し,トップの座を堅持した。同社の売上高は,x,z,pSeriesが安定した成長を見せ,前年同期比3.8%増加した。米Hewlett-Packard(HP)がシェア26.8%を占めて2位。Proliantが好調で,売上高は前年同期比5.1%増。3位には米Sun Microsystemsと米Dellが僅差で並んだが,成長率ではSun(前年同期比24.4%増)がDell(同2.4%増)に大きく水をあけた。
OS別では,Linuxサーバーの売上高が前年同期比15.3%増の18億ドルで,サーバー売上高の11.9%を占めた。しかし,出荷台数は同0.8%減となった。Windowsサーバーは,売上高が同9.4%増の53億ドルで,出荷台数が同5.1%増。UNIXサーバーは,売上高が同2.8%増の51億ドルだった。
Itanium(EPIC)ベースのサーバー売上高は11億ドルを超え,前年同期比71.5%急増した。x86サーバーは72億ドルで,前年同期比7.0%増。また,x86サーバー分野ではOpteronベースのサーバーが売上高全体の20%を占めた。
2006年通期をみると,工場出荷時の売上高は前年同期比2.0%増の523億ドル,出荷台数は同5.9%増の750万台だった。同社によると,2000年のピークを過ぎて以来,最高の売上高を記録したという。
■2006年第4四半期における世界サーバー市場のメーカー別工場出荷時売上高
(単位:100万ドル)
ベンダー 2006年Q4 2005年Q4 成長率
売上高 市場シェア 売上高 市場シェア
IBM $5,765 37.9% $5,555 38.4% 3.8%
Hewlett-Packard $4,086 26.8% $3,887 26.9% 5.1%
Sun Microsystems $1,473 9.7% $1,184 8.2% 24.4%
Dell $1,425 9.4% $1,392 9.6% 2.4%
富士通/Fujitsu Siemens $623 4.1% $606 4.2% 2.8%
その他 $1,847 12.1% $1,840 12.7% 0.4%
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合計 $15,218 100.0% $14,463 100.0% 5.2%
出典:IDC(2007年2月)
■2006年における世界サーバー市場のメーカー別工場出荷時売上高
(単位:100万ドル)
ベンダー 2006年 2005年 成長率
売上高 市場シェア 売上高 市場シェア
IBM $17,159 32.8% $16,890 32.9% 1.6%
Hewlett-Packard $14,246 27.2% $14,183 27.7% 0.4%
Sun Microsystems $5,631 10.8% $4,878 9.5% 15.4%
Dell $5,375 10.3% $5,260 10.3% 2.2%
富士通/Fujitsu Siemens $2,691 5.1% $2,904 5.7% -7.3%
その他 $7,182 13.7% $7,169 14.0% 0.2%
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合計 $52,285 100.0% $51,283 100.0% 2.0%
出典:IDC(2007年2月)
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