東京証券取引所は2月27日、BCP(事業継続計画)の見直しを発表した。これまでは具体的な復旧時間まで明記していなかったが、災害やテロなどのリスクが発生した場合、24時間以内に復旧することを目標とした。

 見直しの中で特に重点を置いたのが、再開・復旧目標、バックアップ体制の強化、コンティンジェンシー・プラン。このうちバックアップ体制の強化では、プライマリ・サイトとの同時被災を避けられる立地にバックアップ・サイトを設けることを中長期的な重要課題と位置付け、取り組む。東証の西室泰三社長は、「セキュリティの関係上、いつ、どの場所に、などは公表できないが、見直しは3月から開始する」とした。

 東証は今年1月に、米ニューヨーク証券取引所を運営するNYSEグループとの戦略的提携を発表した。ITインフラ、取引サービスなど、分野別にワーキング・グループを発足し、定期的・継続的に協議する。IT分野ではBCPについて東証がNYSEにコンサルティングを依頼する見通しだ。

 今回のBCPの見直しは、証券会社の関係者などで構成するBCPフォーラムが策定した「取引所取引専門部会の報告書」に、再開・復旧目標の提示などの課題が上がったことを踏まえての処置である。