米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2月26日,ストレージ・ソフトウエア・ベンダーの米PolyServeを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。買収金額などの詳細は明らかにしていない。

 HPはこの買収により,企業向けNAS市場への食い込みを狙う。また,ブレード分野へのNAS技術の拡大を図るとしている。

 PolyServeは1999年に設立され,オレゴン州ビーバートンに本社をかまえる企業。従業員は117人。金融,エネルギ,テクノロジ業界に500社以上の顧客を持つという。同社のソフトウエアは「HP ProLiant」をはじめとするHP製サーバーやストレージをサポートし,LinuxやWindows環境のNAS統合および仮想化に使用される。複数のファイルおよびデータベース・サーバーからの情報を1つの共有プールにまとめ,業務ニーズに応じて利用可能にすることができる。

 HP,テクノロジ・ソリューション・グループStorageWorks部門ジェネラル・マネージャ兼上級バイス・プレジデントのBob Schultz氏は,「過去2年にわたる提携関係から,PolyServeの技術が当社のProLiantや『StorageWorks』『BladeSystem』事業の成長を促進し,補完するものであることは確信している」と説明する。「PolyServeのソフトウエアと当社のハードウエアを組み合わせることで,顧客企業は個別のストレージ・システムを統合し,機敏な対応を実現しつつITコストを削減することができる」(同氏)。

 買収取引は約60日以内に完了する予定。買収後,PolyServeはStorageWorks部門に統合される。

 またHPは,ディスク・ベースの中小企業向けデータ・バックアップ/復旧システム「HP D2D Backup System」を同日発表した。既存のITネットワークにiSCSI接続し,「3段階の手順でセットアップできる」(同社)。最大4台のサーバーに対して同時バックアップが可能。

発表資料(1)
発表資料(2)