独IDSシェアーのアウグスト・ヴィルヘルム・シェアー博士
独IDSシェアーのアウグスト・ヴィルヘルム・シェアー博士
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 「20年近く前に私が提唱し始めたころ描いていた理想が、現実になりつつある」。BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ツール大手、独IDSシェアーの創立者であるアウグスト・ヴィルヘルム・シェアー博士(写真)はこう語る。シェアー博士はビジネス・プロセスをモデル化し、それを基準に継続的に業務改善を繰り返すBPMの有効性を20年近く提唱し続けている。

 BPMにおいて、ビジネス・プロセスのモデルを描き、そのモデル通りに業務を実行しようと思えば、情報システムにそのビジネス・プロセスの一部を実装することになる。このとき、できるだけモデル通りに実装しようと思っても、「20年前は、当社のBPMツールを使って描いたモデルを、独SAP製のERPパッケージ(統合業務パッケージ)のパラメータ設定に役立てるくらいしかできなかった」(シェアー博士)。

 しかし、現在は「SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づくシステムに構築することで、ビジネス・プロセスをそのまま情報システムとして実装することが可能になった」と語る。「ビジネス・プロセスの革新を即座に情報システムに反映できる、エキサイティングな時代になった」(同)。

 シェアー博士は、ビジネス・プロセスの革新を進め、SOAのような柔軟なシステム・アーキテクチャを備えていることが今後の強い企業に必要な条件と考えている。「例えば、マイケル・デルはインターネットの利用を前提に、パソコン販売のビジネス・プロセスに革新を起こした。今後はSOAの柔軟性、俊敏性を前提として、今までにないビジネス・プロセスを描く企業が出ることだろう。そのような企業の登場を心待ちにしている」(シェアー博士)。