総務省は2月26日,NTTグループへの様々な規制などの有効性をチェックする指針「競争セーフガード制度」のガイドライン案を公表した。

 競争セーフガード制度とは,「電気通信事業法」や「NTT法」と呼ばれる法律により,公正競争を徹底するために課せられたNTTグループへの規制などを,定期的に検証して見直すための新たなルール。NTT東西地域会社が保有する光ファイバの開放義務にかかわる「指定電気通信設備制度」や,一定の条件を満たせばNTT東西が業務範囲を拡大できる「活用業務認可制度」などが含まれる。

 同制度の設置は,主役のサービスが電話からIP系サービスに移行している通信市場の公正競争確保のため,電気通信事業法やNTT法を適切に運用することが狙い。そのガイドライン案をまず公開したことで,総務省は同制度の本格運用への第一歩を踏み出した。

 総務省は競争セーフガード制度のガイドラインに基づき,これらの規制が公正競争要件を満たす機能を果たしているかどうかを毎年点検する予定。指定電気通信設備の対象も毎年検証して見直す方針で,市場動向などによっては指定電気通信設備の対象となることが懸念させる設備や,同様に指定電気通信設備の指定を解除する可能性がある設備を「注視すべき機能」と位置付け,次の年に重点的に検証する仕組みも新たに盛り込む。また,指定電気通信設備の対象となる設備には,認証や課金などのためのプラットフォーム機能も含むこととする。

 総務省は,ガイドライン案についての意見募集を3月28日まで行う予定。これらの意見を踏まえて7月までにガイドラインをまとめ,今秋から競争セーフガード制度を本格運用する。