「オープンソースの.NET実装であるMonoを使えば,Linux上のC#プログラムからADO.NETでPostgreSQLにアクセスできる」---2月24日,日本PostgreSQLユーザ会が技術セミナーを開催,Windows上のPoetgreSQLを中心に講演が行われた。
スウェーデンから来日した,PostgreSQL Windows版の中心開発メンバーの一人であるMagnus Hagander氏は「WindowsノートPCで開発を行う場合や,デスクトップ・アプリケーション向けで利用する場合,企業ポリシーとしてWindowsを採用しなければならない場合などにWindows版は必要」と語り,UNIX/Linuxに慣れた管理者向けに,Windowsのプロセス・モニターなどを使いPostgreSQLの稼働状況を監視する方法などを解説した。
オープンソース総合研究所の斉藤浩氏は,同氏が開発中のNpgsqlを紹介した。斉藤氏はPostgreSQL開発メンバーの1人で,日本語Windows版PostgreSQLパッケージの開発リーダー。Npgsqlは.NETプログラムからPostgreSQLにアクセスするための.NET Data Provider。PostgreSQLとMonoのオフィシャル・プロジェクトとなっている。
斉藤氏はMonoを使い,Linux上のC#プログラムからADO.NETでPostgreSQLにアクセスできるデモを披露。プログラムの作成方法などを解説した。
Monoは,Novellが買収したXimianによって開発されている,.NETのオープンソース実装である。XimianはLinuxの標準的なデスクトップ環境のひとつGNOMEの開発で中心的な役割を果たしている。技術セミナーではノベルのえのもとあつし氏が「オープンソースADO.NET」というテーマで講演,Linux環境でMonoを使いADO.NETを利用する方法を解説した。
Monoを使えば,.NETアプリケーションをLinux上で動かし,Webアプリケーションやクライアント上でのGUI(WinForms)アプリケーションを利用することができる。ただし注意点として,現在のMono1.2では,WinForms上ではまだ日本語入力ができないという制限があるため注意が必要となるという。
またオープンソース総合研究所の桑村潤氏は「LDAP運用」と題して講演。WindowsとLinuxで稼動するLDAPブラウザの作成方法について紹介した。