写真1 携帯電話機の写真をテレビ出力するシャープ製赤外線アダプタ「HN-IR1」
写真1 携帯電話機の写真をテレビ出力するシャープ製赤外線アダプタ「HN-IR1」
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 シャープは2月23日,携帯電話機の画像をテレビに表示する赤外線アダプタ「HN-IR1」を発表した(写真1)。高速赤外線通信仕様「IrSimpleShot」(IrSS)に対応。IrSS対応携帯に保存した写真を,HN-IR1経由でテレビに表示できる。価格はオープンだが,実売価格は1万4000円前後になる見込み。4月25日に出荷を開始する。

 IrSSは,IrDAのプロトコルを改良して実効速度を3.8Mビット/秒程度に高めた赤外線通信仕様。300万画素程度の画像(ファイル・サイズは約800Kバイト)を約2秒でテレビに表示できる。

 対応画像はJPEG。最大ファイル・サイズが6Mバイト,最大解像度が縦・横とも4080ドット(800万画素相当)。「表示切替」ボタンで画面一杯に引き伸ばす「フィット」表示,変形させずに余白を無くす「フル」表示を選択できる。また「右回転」ボタンで右90度の回転操作が可能だ。

 赤外線インタフェースはIrSSで,従来のIrDAには対応しない。 テレビ出力用のインタフェースはD3~5端子×1,ビデオ端子×1。電源はACアダプタ駆動で,「テレビのそばで使う性格上,現時点ではバッテリ駆動やUSB給電ケーブルをオプションで用意する予定はない」(シャープ)。

 IrSSに対応した携帯電話機は,NTTドコモの「SH903i」「SH902iS」「SH902iSL」「SH702iS」,ソフトバンクモバイルの「911SH」「910SH」「811SH」「810SH」,auの「W51SH」。いずれもシャープ製端末で,現時点では他メーカーの対応機種はない。

 IrSSはシャープ,NTTドコモ,ITXイー・グローバレッジ,早稲田大学が共同開発し,赤外線通信の業界団体IrDA(Infrared Data Association)で標準化された。現時点ではシャープ製端末への搭載にとどまっているが,「シャープ製端末への搭載にこだわっているわけではない。ユーザーの反応を見て他メーカーの端末に展開する可能性はある」(NTTドコモ)という。