米Light Readingの市場調査部門であるHeavy Readingは米国時間2月22日,インスタント・メッセージング(IM)を利用した音声通信(VoIM)に関する調査結果を発表した。それによると,VoIMは全体的な通信体験を大きく変化させ,消費者の期待もますます高まっていく可能性があるという。VoIMは,画像配信,IM,音声チャットなどをすべて1カ所で統合して利用できる上,無料で音声通話ができるため,既存の通信事業者にとっては脅威となる。

 VoIM事業者が主な収入源として考えているのは,従来のサービス契約料ではなく広告だ。VoIM事業者は,ターゲット広告や「click-to-call」(クリックするだけで電話がかけられる機能)などを取り入れて,広告の質と量を向上させようとしている。

 VoIM事業者は音質も重視している。無料サービスでは,消費者がサービス・プロバイダを乗り換える際の障壁は低いため,通話の音質が差異化の重要な鍵になるという。

 もう1つ,成長の鍵を握るのはプレゼンス(在席)確認機能。オンラインにつながっているかを確認するだけでなく,相手が今忙しいか,電話中か,機嫌はよいかなど,より微妙な情報まで提供する高度なプレゼンス機能が現れる可能性もあるという。

 なお,VoIMの普及を妨げていた相互運用性の問題は向こう2年以内に解消されると,Light Readingは予測している。