写真1 陸上自衛隊の大型ヘリ「CH-47J」(右奥)と,NTT東日本の作業車(左前)
写真1 陸上自衛隊の大型ヘリ「CH-47J」(右奥)と,NTT東日本の作業車(左前)
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 NTT東日本とNTTドコモ,陸上自衛隊東部方面隊は2月22日,朝霞駐屯地内で共同実働訓練を実施した。災害発生時に,被災地の通信を確保するための連携強化が主な目的だ。

 今回は,首都直下地震の発生により被災地への道路が倒壊した建物などで遮断し,通信確保のための災害対策機器を陸路で運べない状況を想定した。訓練の内容は,(1)ポータブル衛星装置や可搬型発電機などの災害対策の通信機器を大型ヘリコプターで搬送,(2)災害対策機器による避難所の通信確保や携帯電話充電サービスの実施,(3)NTTドコモの携帯電話基地局の電源救済,(4)災害派遣された陸上自衛隊用の通信回線の確保――など。

 訓練では,陸上自衛隊の大型ヘリ「CH-47J」などを使い,NTT東日本の社員と陸上自衛隊の隊員が,災害対策機器をトラックからヘリに積み込む作業や,逆にヘリからトラックへ積み降ろす作業を実施(写真1)。その後,仮想避難所に見立てた場所に,NTT東日本が災害対策用ポータブル衛星装置を使った特設公衆電話を設置した。NTTドコモは,可搬型発電機を利用した携帯電話基地局の給電や,携帯電話充電サービスを実施する訓練を行った。

 NTTと陸上自衛隊の共同訓練は,両者が2006年2月に締結した協定に基づいて始まった。協定の締結に至った経緯は,2004年10月に発生した新潟県中越地震で,陸上自衛隊東部方面隊とNTT東日本が協同で,被災地の通信確保の作業を行ったことがきっかけとなったという。