東北電力は2月22日、本支店系のLANを刷新し、従来の有線方式から無線方式に全面的に切り替えたと発表した。今月中にも、122カ所の全拠点に2800台のアクセス・ポイントを設置し、1万3000台のパソコンがつながる国内最大規模の無線LANネットワークが完成する。

 有線から無線に切り替えることにより、パソコンを事業所内で自由に持ち運び、会議室やオープンスペースからのネットワーク・アクセスも可能になった。社内資料などの電子化も容易になり、会議の際に配布する紙も減らせると見込む。

 無線LANネットワークでは、外部端末からの不正アクセスが懸念されるが、東北電力はベンチャ企業のサイバー・ソリューションズと共同開発した不正監視システムを活用する。不正監視システムはこれまで有線LAN向けのシステムとして運用してきたが、無線LANにも対応させ、登録されていないパソコンはネットワークから自動的に遮断する仕組みを取り入れた。パソコンをネットワークに接続する際のユーザー認証にはFeliCa方式の非接触型ICカードを使い、セキュリティを高めた。

 無線LANのアクセス・ポイントはシスコシステムズの「Aironetシリーズ」を採用。無線LAN方式は、電波干渉の恐れが小さいIEEE 802.11a(5.2GHz帯、54Mビット/秒)を使う。