合成画面を見ながらカメラに向かって話しかける
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合成画面の中央にはつくば市の高校生、左右には秋葉原の小学生を表示
合成画面の中央にはつくば市の高校生、左右には秋葉原の小学生を表示
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ロボット2台を使ったサッカーのPK合戦
ロボット2台を使ったサッカーのPK合戦
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自作のアームロボットを使って玉入れゲームを見せた
自作のアームロボットを使って玉入れゲームを見せた
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 先生が遠く離れた場所にいても、仮想空間で授業ができます――。茨城県つくば市と独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)は2007年2月21日、離れた場所にいる人々を、あたかも同じ空間にいるかのように表示する画像合成技術「ミラーインタフェース」の実証実験を公開した。つくば市のつくばリサーチセンターと東京・秋葉原のダイビルを10Gbpsのネット回線で接続。秋葉原の小学生に向けて、つくば市の高校生が自作ロボットのデモを実演した。合成画面の中で表示されたお互いの姿を見ながら、ロボットを使ったサッカーや玉入れゲームを楽しんだ。

 画像合成技術はNTTの研究所とNICTによる共同開発。遠隔地に置かれたカメラの映像をネットワーク経由で取得し、合成画像を表示する。今回の実験では、画面の中央部につくば市の映像、画面の左右に秋葉原の映像を表示した。違和感がないように、各地域の切れ目はボカシ処理を施す仕組みとなっている。遠隔地に離れた人々をひとつの仮想画面で表示することで、一般的なテレビ会議システムと比べて「お互いに心を開いて会話できるようになる」(NICT)という。

 デモ実演をした高校生は、茨城県立つくば工科高等学校情報技術研究部の部員。ロボットを使った旗上げゲーム、サッカーのPK合戦、玉入れゲームとアイデアを駆使したデモを実演した。単に見せるだけでなく、「ミラーインタフェース」の色認識機能を利用して、画面上に表示されたボタンに小学生が赤い玉を近づけると、ロボットを操作できるようにした。例えば、PK合戦で画面左側のボタンに玉を近づけるとロボットがボールを蹴り、右側のボタンに玉を近づけると、キーパー役のロボットが倒れこんでボールを防ぐような仕組みにした。

 遠隔地のロボットを操作できるという目新しさに触れた小学生たちは、デモ終了後も「もう一度やりたい」とねだるほど。つくば工科高校2年生の男子生徒は「遠くにいるのに距離感を感じなかった。小学生のノリがよくてうれしかった」と遠隔授業の出来に満足の様子だった。


2足歩行ロボットを使ったサッカーのPK合戦。小学生が赤いボールを画面のボタンに近づけるとロボットが動く

ロボットの手が玉をつかむ動作を小学生が操作した