ネオジャパンは2月21日,メール・システム用ソフトの新製品「Denbun」を出荷した。Denbunは,企業内にあるメール・サーバーをWebブラウザから利用できるようにするサーバー・ソフト。Denbunを使うことで,ユーザーはWebブラウザを使って,メール・サーバーに格納されたメールを閲覧したり,送受信したりできる。

 ネオジャパンの齋藤晶議 代表取締役社長は「Webグループウエアであるdesknet'sのWebメール機能では処理が重くなることが少なくない。そこで,ユーザーがストレスなくWebメールを利用できる製品を新たに出荷することにした」と説明する。Denbunは,desknet'sとは独立した形で製品化した。「Webメール単体で導入したいというニーズが高まっているため」と,同社の中井敏博氏(プロダクト事業本部 企画部 課長)は理由を説明する。

 desknet'sのWebメール機能を利用すると処理が重くなるのは,desknet'sが,メール・サーバーからメールを取り込む際,「POP3」と呼ぶプロトコルを使っているためだ。POP3を使うと,メール・サーバーにアクセスするたびに,メール・サーバーに格納されているすべてのメールを取り込んでしまう。

 そこで,Denbunでは,メール・サーバーからメールを取り込む前に,受信メールの一覧情報だけを取り込むことができる「IMAP4」と呼ぶメール用プロトコルを採用した。これにより,受信メールの一覧情報を基に,必要なメールだけをメール・サーバーから呼び出すことができ,処理が重くなるのを防いだ。

 ただし,IMAP4を使う場合,メール・サーバーからメールの一覧情報やメールを取り込んだりする際,その都度ユーザー認証の処理が必要になる。そこで,ネオジャパンは,1回ユーザー認証をすればメール・サーバーとのコネクションを維持する「コネクション・プーリング機能」をDenbunに搭載することで,毎回ユーザー認証する手間を省くようにした。

 DenbunのPC向けのユーザー・インタフェースは,Flashを採用したものと,Ajaxを採用したものの2種類から選べる。Denbunのユーザー・インタフェースには,携帯電話向けものもある。Denbunのライセンス価格は,36万円(100ユーザーで1年利用する場合)からになる。