センドメールの小島国照社長
センドメールの小島国照社長
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 「国内ではあまり話題にならないが、迷惑メール(スパム)の流通数が2006年後半から世界的に急増している。国内ではおおむね倍増(100%増)しており、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)やホスティング事業者に深刻な打撃を与えている」。メールサーバーや迷惑メール対策製品などを手がけるセンドメール社長の小島国照氏は2007年2月19日、新製品発表会の席上、迷惑メールの現状を解説した。

 小島氏によると、2006年後半以降、ISPや調査機関などが迷惑メールの急増を報告。報告される増加率は、30%から450%とさまざま。国内では倍増しているという。

 迷惑メールの急増によって、ISPやホスティング事業者が運用する回線やメールサーバーへの負荷が大きくなり、設備増強が必要になっている。しかし、正規のサービス提供で発生しているコストではないので、「そのコストをユーザーから取るわけにはいかない。ISPやホスティング事業者が負担しなくてはならず、泣いている状況だ」(小島氏)。

 迷惑メールが増えている理由には諸説ある。例えば、迷惑メールの発信源となっている「ボットネット」が急増している可能性がある。そのほか、迷惑メール対策製品の導入が進んでいるために“歩留まり”が悪くなり、迷惑メールの送信者が送信数を増やしていることが考えられるという。

 「例えば、今までは100通に1通は届いた迷惑メールが、対策製品によって1万通に1通ぐらいしか届かなくなっているとすれば、これに対抗するには送信数を増やすことが確実だ」(小島氏)。ただ、いずれも証拠はないため、推測の域を出ない。理由はともかく、今後も迷惑メールの数は増えていくだろうと小島氏は予測する。

 同日、センドメールとクラスキャットは、企業向けの迷惑メール対策専用装置「ウイルス/スパム対策インターネットサーバアプライアンス」を発表した。これは、日本IBMのx86サーバー「IBM System x 3550/3650 Express ポートフォリオ対応モデル」に、センドメールの迷惑メール対策ソフトや、クラスキャットのサーバー管理ソフトなどを搭載したハードウエア製品。Webサーバーやメールサーバー、FTPサーバーといった各種サーバー機能を持つ。

 価格は、「500ユーザー対応モデル」が125万1100円(税別)、「1000ユーザー対応モデル」が191万5300円(税別)。なお、ウイルス対策機能はオプションで提供する(価格は未定)。