マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは,オペアンプなしでアナログ信号を処理できるLSI技術「Comparator-Based Switched Capacitor(CBSC)」を開発した。MITが米国時間2月15日に明らかにしたもの。

 一般的にアナログLSIは,オペアンプというアナログ信号増幅器を搭載している。こうしたアナログ回路にデジタルLSI製造向けの技術を適用すると,性能低下や消費電力増大などのデメリットが発生するという。

 MIT教授であるHae-Seung Lee氏の研究グループは,電圧と論理値を比べるコンパレータという回路を用い,オペアンプなしのアナログLSIを開発した。Lee氏は「オペアンプがなくても,従来の回路が持っていたメリットは事実上すべて維持した」としている。さらに電力効率が高く,高性能なアナログ回路を作れる可能性があるとみる。

 MITは,CBSC技術で8ビット/200MHz動作のADコンバータを試作し,カリフォルニア州サンフランシスコで開催された国際固体素子回路会議(ISSCC)においてデモンストレーションした。

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