写真1 米コンバース・テクノロジー ネットセントレックス部門のエリック・ラーション・マーケティング副社長
写真1 米コンバース・テクノロジー ネットセントレックス部門のエリック・ラーション・マーケティング副社長
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写真2 米コンバースの統合サービスの例。パソコンの画面上でメッセージの送受信先を統合的に管理している
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写真3 映像配信サービスとコミュニケーション・サービスの統合例。メッセージの着信があった場合,テレビ画面上に通知してくれる
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 ボイスメールのシステムの提供で大きなシェアを持つ米コンバース・テクノロジー。同社は2006年4月に音声や映像などの統合サービスのソリューションを持つ仏ネットセントレックスを買収し,固定と携帯の融合(FMC:fixed mobile convergence)サービスやトリプルプレイ・サービスの提供プラットフォームを強化した。同社のネットセントレックス部門でマーケティング副社長を務めるエリック・ラーション氏(写真1)に,欧州の通信事業者の状況や同社のソリューションの特徴などを聞いた。

――欧州の通信事業者が置かれている状況を教えてほしい。

 現在,欧州の通信事業者はダイナミックに変貌している。規制緩和によって,例えばフランスでは仏フリーなど新しい通信事業者が生まれたからだ。元々存在していたフランステレコムなどとの間で激しいサービス競争が起きている。

 フリーは3年ほど前に,音声とブロードバンド,映像配信をセットにしたトリプルプレイ・サービスを30ユーロ(約4700円)程度で提供し始めた。フランステレコムはフリーの登場に衝撃を受け,対抗策を講じることになる。こうして旧ネットセントレックスとフランステレコムとの間で付き合いが始まった。

 フランステレコムは2004年の初頭,旧ネットセントレックスに対して「フリーと同じようなサービスを,6カ月で提供可能にしてほしい」と依頼してきた。ハードなスケジュールだったが,我々は既に伊ファストウェブに対して,同じようなトリプルプレイ・サービスの基盤を提供していた。結局フランステレコムは,2004年の半ばに我々の基盤を使ってトリプルプレイ・サービスを開始することになり,フランスは欧州の中でも最もサービス競争が激しい地域となった。

 我々は,欧州でも最も先進的なフランステレコムやファストウェブにかかわっているので知名度も急上昇している。

――御社が現在,力を入れているソリューションは。

 音声やブロードバンド・サービス,映像サービスなどをセットで提供するだけではなく,それぞれのサービスを統合しシナジー効果を出せるようにすることだ。

 この1年でユーザーは,携帯電話からのみならずパソコン上でSMS(short message service)やVoIP(voice over IP)サービスを利用し始めるようになった。携帯電話やパソコン,テレビなど複数の端末に対して,統合的にメッセージを扱えるようにするソリューションが求められている。

 弊社のIMS(IP multimedia subsystem)をベースにしたプラットフォーム「コンバージドIPコミュニケーション」は,それを可能にする。例えば,パソコンの画面上でメッセージの送受信先を統合的に管理したり(写真2),メッセージの受信をテレビ画面に表示することなどが可能になる(写真3)。既に一部の機能をフランステレコムが採用し,自社の統合サービスに使い始めている。