NHKの「第36回番組技術展」が東京・渋谷のNHK放送センターで,2007年2月11~14日に開かれた。番組制作の現場から生み出された様々な放送機材や放送システムを披露する展示会で,NHKが毎年開催している。

 今回目立ったのが,放送のデジタル化に関連する展示である。例えば,災害情報を自動的にテレビ画面に映し出すデータ放送システムだ。NHKは2007年1月から,震度3以上の地震が発生したり津波注意報や警報が発令されたりすると,地上デジタル放送などのデータ放送で災害情報を提供する態勢をとっている。視聴者が事前に設定しておけば,リモコンのデータ放送ボタン(dボタン)を押さなくても,災害情報を自動的にテレビ画面に表示させることができる。番組技術展では,この新しいデータ放送システムが紹介された。

 地上デジタル放送以外では,例えばインターネットと連携した番組を可能にするシステムの展示があった。視聴者の携帯電話機やパソコンからインターネットを通じてNHKあてに送られた写真データを,CG(コンピュータグラフィックス)の映像と合成して放送するシステムである。総合テレビで毎週土曜日の午後10時から生放送している情報番組「つながる@ヒューマン」で採用されている。