写真●アッカ・ネットワークスの坂田好男社長
写真●アッカ・ネットワークスの坂田好男社長
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 ADSL事業者のアッカ・ネットワークスは2月15日,2006年通期(2006年1~12月期)の決算を発表した。単体での売上高は388億1000万円で、経常利益は19億5700万円。これまで順調に伸びてきた売上高は前年比で4.4%の減少に転じ、経常利益も23.0%の大幅減となった。今期から作成している連結売上高は388億2900万円、経常利益は19億800万円。

 坂田好男社長は「2006年の上半期は個人のDSL契約が減った」と売上高が減少に転じた理由を説明した(写真)。2007年の来期についても連結で366億円と2006年比で6%の減少を見込むが、「機器やネットワーク回線の費用を削減することで2006年と同水準の19億円の利益を見込む」(同)としている。

 今後の事業展開としては、高速無線LAN技術「WiMAX」を採用した回線サービスへの参入や映像配信への参入を挙げる。WiMAXについては、横浜市で実験をしており、新潟県魚沼市での実験も3月に予定している。

 もっとも、WiMAXの実サービスへの参入には総務省から本免許を得る必要があり、「現時点で確定したことは言えない」(坂田社長)としている。免許が取得できない場合については「そうしたケースはあまり想定していないが、場合によっては様々な無線回線を利用していくことを考えている」(WiMAX推進室)。

 NTTがグループで進めるNGN(次世代ネットワーク)の活用については、「現時点では、どうやってDSL回線を接続するのかなど調査しているところ。NGN自体についてはまだよく分からない事が多い」(坂田社長)と述べるに留まった。アッカの最大株主であるNTTコミュニケーションズ(NTTコム)との関係については「いいサービスであれば、NTTコムはグループよりも当社の製品を使ってくれている。今後も同様だろう」(同)と語った。