写真●試作品のeDRAM
写真●試作品のeDRAM
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 米IBMは,ロジック回路と同一チップに混載可能なDRAMであるeDRAMにおいて,過去最短のアクセス時間を記録した。IBMが米国時間2月14日に明らかにしたもの。

 プロセサなどのロジック回路を含むLSIに混載するRAMは,通常はSRAMを使う。それに対しIBMの開発したeDRAMは,シリコン/絶縁膜構造(SOI)と深いトレンチ構造を採用して高性能と低消費電力を両立させ,「SRAMに比べて面積が約3分の1,待機時の消費電力が5分の1で済む」(同社)。具体的な仕様は以下の通り。

・セル・サイズ:0.126平方mm
・電圧:1V
・稼働率:98.7%
・構成:1行が1Kビットで16行×146列(計2Mビット)
・アクセス時の消費電力:76mW
・待機時のデータ保持電力:42mW
・ランダム・サイクル時間:2n秒
・待ち時間:1.5n秒

 IBMでは,このeDRAMを45nmプロセス版マイクロプロセサ製造時の主要技術と位置付けており,2008年に実用化する計画という。詳細は,カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の国際固体素子回路会議(ISSCC)で発表した。

 米メディア(CNET News.com)によると,IBMは45nmプロセス・ルールによるプロセサ製造を2008年に開始し,プロセサに混載するメモリーをSRAMからeDRAMに切り替えるという。

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