米Microsoftが米国時間2月14日,国際標準規格化に向けて作業中のXMLベースのオフィス・アプリケーション向けファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」について,米IBMの非協力的な態度を非難する公開書簡を発表した。

 Microsoftによると,国際的な標準化組織Ecma Internationalの検討委員会は2006年12月7日に20対1の賛成多数でOOXMLを標準規格として承認したが,唯一の反対票を投じたのはIBMだったという。さらにMicrosoftは,「標準化団体ISO/IEC JTC 1にOOXMLを提出することの是非を問う際も,IBMだけが反対した」と指摘する。また,IBMはISO/IEC JTC 1でのOOXMLの検討期間中に,ISO/IEC JTC 1がOOXMLを検討しないことを求める活動を全世界で展開しているという。

 これまでの経緯は以下の通り。

 OOXMLは,「the 2007 Microsoft Office system」の標準ファイル形式「Microsoft Office Open XML Format」をベースとする仕様。MicrosoftがEcmaに提出するとともに,Open XML Formats Developer Groupというコミュニティを結成し,国際標準規格化に向けた活動を展開している(関連記事)。

 Ecmaの技術委員会45(Ecma TC45)はOOXML仕様を検討し,2006年5月に「Office Open XML 1.3」のドラフト版を公開した。Ecmaは12月7日の総会で投票を行い,同仕様自体とISO/IEC JTC 1への提出を認めた(関連記事)。

 Ecma TC45のメンバーは,Microsoftのほか米Apple,英Barclays Capital,英British Petroleum(BP),大英図書館(British Library),米Essilor International,米Intel,米NextPage,米Novell,ノルウェーStatoil,東芝,米議会図書館(United States Library of Congress)。

 既にカナダのCorelと米NovellがOOXML対応を表明している(関連記事)。

 なおOOXMLに対抗する規格としては,XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が標準仕様として承認した「Open Document Format for Office Applications(OpenDocument/ODF)」が存在する(関連記事)。ISO標準にもなっており,オープンソースのオフィス・スイート「OpenOffice.org」や,米Sun Microsystemsの「StarOffice」,KDEプロジェクトの「KOffice」,IBMの「Workplace」などが採用している。また,Microsoftは今月,OOXMLとOpenDocument/ODF間の変換を可能にするプラグインを公開した。

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