オーストラリアの大手携帯電話事業者のTelstraとスウェーデンEricssonは現地時間2月13日,TelstraのHSDPAネットワーク「Next G」において,基地局から半径200kmの範囲で通信が可能になることを明らかにした。同社のNext Gネットワークは,オーストラリアの190万平方キロをカバーしており,人口の98.8%にモバイル・ブロードバンド・サービスを提供できるという。

 Telstraは,Next Gネットワークのサービスを開始してから4カ月後に,すべての第3世代(3G)サービスに対応するために,特定の山頂ポイントの基地局にEricssonのソフトウエア「Extended Range」を実装した。通常の基地局では50kmまでの範囲しかカバーしていないが,同技術により通信範囲を200kmまで拡大できたという。

 TelstraのCEO(最高経営責任者)であるSol Trujillo氏は,「HSDPA技術を採用するNext Gネットワークでサービスを開始して以来,同社の無線ネットワークにおけるデータ通信のトラフィックは2倍に増加した。通信距離を伸ばすアップグレードにより,オーストラリアの内陸部にいる顧客にもサービスのメリットを理解してもらえるだろう」とコメントしている。

 同社によれば,同ネットワークでは,最大伝送速度として,上りで1.9Mビット/秒,下りで14.4Mビット/秒を達成している。テストでは,200km離れた地点において,下りの速度は2.3Mビット/秒だったという。同社は現在,2007年中旬に提供を予定している7.2Mビット/秒のデータ・カードのテストを実施しているという。

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