NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2月14日、NTTがグループで取り組む次世代ネットワーク(NGN)のトライアルで新たなサービスを提供すると発表した。4月の開始を予定している、第3期のトライアルで取り組む。

 新たに追加するサービスは五つ。(1)地震の発生を先回りして知らせる「緊急地震速報配信サービストライアル」、(2)災害時の安否を確認するための「災害時安否情報共有サービストライアル」、(3)NGN回線に接続する端末や利用者を認証する「ひかり認証サービストライアル」、(4)SIP対応の映像や音声端末を活用する「Web連携アプリケーショントライアル」、(5)IP-VPNサービス「Arcstar IP-VPN」とNGNの接続トライアル--だ。

 このうちNGNならではのサービスと言えるのが、(3)のひかり認証サービストライアル。NGNの回線認証機能を利用し、NGNに接続している端末に設定してあるIDや利用状況、行動の特性といった情報をかけあわせて認証を実施する。金融サイトで預金や株式の取引をする際、ユーザーが自宅からアクセスしているのであれば高額な取引を許可し、行動パターンが不審な場合は取引を停止するといった使い方が可能となる。

 他のサービスが利用するNGNの機能は以下の通り。緊急地震速報配信と災害時安否共有はNGNのQoS(サービス品質)機能で帯域を確保する。Web連携アプリケーションはSIPによる回線制御の機能を利用する。IP-VPNとの接続はNGNと通信事業者のネットワークをつなぐNNI(網間インターフェース)で相互接続する。

 現在、NTTコムはNGN上でハイビジョン映像の配信、NGNとインターネット接続サービス「OCN」の接続、地上デジタル放送のIP再送信、の3サービスを提供中。今回の追加によって、4月以降は合計で八つのサービスを試験することになる。NGNトライアルの第3期は今年12月までの予定で、NTTグループは2008年初頭にも商用サービスを開始する見通し。

 なお、(4)のWeb連携アプリケーショントライアルは、沖電気工業がアプリケーションや構築技術を提供し、NTTコムと共同で実験する。