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オープンソースで開発されている統合デスクトップ環境「Xfce 4.4.0」(写真1)が2007年1月21日に公開された。Xfceは,プログラムのサイズが比較的小さく,軽快に動作することで定評のある,UNIX系OS用の統合デスクトップ環境だ。
統合デスクトップ環境は,GUI環境を操作する上で必要となる各種機能を提供するアプリケーションのこと。Linuxで使えるものとしては,「GNOME」や「KDE」が有名だ。統合デスクトップ環境の具体的な機能には,ファイルやディレクトリの操作を行うファイル・マネージャ,ウインドウやボタンのデザインの設定や管理,背景画像の設定,仮想画面の切り替え,実行中のタスクの表示,アプリケーションを簡単に起動できるように起動用アイコンを格納しておくメニュー,さらに後述するパネルなどがある(写真2)。Xfceもこれらの機能を備えている。
Xfceの標準ファイル・マネージャには「Thunar 0.8.0」が採用されている(写真3)。Thunarではファイルの操作に加え,画像ファイルのサムネイル表示やファイルへのマーク付けの機能などが搭載されている。また,Xfce 4.2までのファイル・マネージャでは行えなかった,デスクトップ上へのファイルの配置にも新たに対応した。
そのほか,Xfceの標準アプリケーションには,端末エミュレータ・ソフトの「Terminal 0.2.6」,テキスト・エディタの「Mousepad 0.2.12」などがある(写真4)。
デフォルト(初期設定)ではディスプレイの最上部と最下部に表示されるパネルでは,アプリケーションを起動するためのアイコンを配置したり,実行中のタスクを一覧表示したりできる。Xfceではパネルを,ディスプレイの上下左右に配置できる。
初期状態では最上部のパネルに仮想デスクトップの切り替え,実行中のタスクの一覧などが配置され,最下部のパネルにはメニューやアプリケーション起動用のアイコン,時計などが配置されている。また,天気予報やCPUの動作状況の表示などといったアイテムをパネルに追加可能だ(写真5)。
Xfceでは「Xfce設定マネージャー」が用意されている。このマネージャを開くと,Xfceの各設定ツールが一覧される(写真6)。設定ツールにはデスクトップの背景などを設定する「デスクトップ環境設定」,仮想デスクトップの設定を行う「ワークスペースと余白」などがある。また,「ウインドウマネージャー」ではウインドウ枠のデザインなどを変更できる(写真7)。
さらに,「WMの調整」ではフォーカスや仮想デスクトップに関する設定が行える。「コンポジット」タブでは,ウインドウの効果に関する設定が行える。例えば,フォーカスされていないウインドウを半透明にする,ウインドウに影を付けるといった設定が可能だ(写真8)。