POSS設立の調印式。左から1番目はインドネシアの研究技術相Kusmayanto Kadiman氏
POSS設立の調印式。左から1番目はインドネシアの研究技術相Kusmayanto Kadiman氏
[画像のクリックで拡大表示]
インドネシア政府のオープンソース振興プラン
インドネシア政府のオープンソース振興プラン
[画像のクリックで拡大表示]
インドネシア政府が配布しているLinux CDROM「NUSANTARA」。IGOSは「Indonesia, Go Open Soure」を意味するインドネシア政府のスローガン
インドネシア政府が配布しているLinux CDROM「NUSANTARA」。IGOSは「Indonesia, Go Open Soure」を意味するインドネシア政府のスローガン
[画像のクリックで拡大表示]
インドネシア研究技術相Kusmayanto Kadiman氏
インドネシア研究技術相Kusmayanto Kadiman氏
[画像のクリックで拡大表示]

 インドネシア政府は2月13日,オープンソース・ソフトウエア(OSS)推進組織「POSS」を設立した。POSSはインドネシアの省庁や大学,民間企業が参加し,オープンソースに関する啓蒙やソフトウエア整備などを行う。同日開催された第8回アジアOSSシンポジウムで,調印式が行われた。

 インドネシアは2004年7月から「Indonesia, Go Open Source」(IGOS)政策を掲げ,オープンソース振興を進めている。これまで独自のCD起動ディストリビューション「NUSANTARA」を作成し4万枚を配布したり,オープンソースによるポータルサイト構築ツールNetOfficeやデジタルライブラリGanesha Digital Libraryの開発や,地方の政府システムでの活用などの活動を行ってきたが,専門組織の設立により推進施策の強化を図る。

 POSSはPendayagunaan Open Source Softwareの略でPendayagunaanはインドネシア語で活用(Utilization)を意味する。インドネシアの研究技術省(Ministry of Research and Technology),産業省(The Minister of Industry),バンドン工科大学,民間企業ではOrcale,IBM,NEC,富士通の現地法人などがPOSSに参加する。

 インドネシアの研究技術相Kusmayanto Kadiman氏は,アジアOSSシンポジウムの基調講演で「違法コピーやデジタルディバイドの解消にオープンソース・ソフトウエアの活用は有効」とオープンソース・ソフトウエアへの期待を表明した。

 インドネシアは国内だけでなく,アジア各国にもオープンソースの活用を呼びかける提案「ASEAN, Go Open Source」を,2006年4月にハノイのASEAN諸国による会議で行っている。

 オープンソース活用施策を実施しているアジアの国にはインドネシアのほかにも多数出てきている。韓国政府はオープンソースを事実上優先調達する政策を行っている(関連記事)。中国は政府調達において国産Linuxを積極的に採用している(関連記事)。インドは2005年にOSSセンター(NRCFOSS)を設立,州政府などで導入。マレーシアは2004年に「Public Sector Open Source Master Plan」を発表しOpen Source Competency Centerを設立している。

 アジアOSSシンポジウムは,日本の経済産業省の委託により財団法人 国際情報化協力センターがアジア各国と共同で開催している国際会議。2003年に第1回がタイで開催され,今回が8回目となる。

◎関連資料
Indonesia, Go Open Source(Ministry of Research and Technology, Indonesia)
アジア地域におけるOSS導入動向(国際情報化協力センター)