知的財産権に関する米国の業界団体International Intellectual Property Alliance(IIPA)は,著作権侵害について調査した結果を,米国時間2月12日に発表した。それによると,2006年の著作権侵害による世界損害額は300億~350億ドルに達するという。

 著作権侵害が最も深刻な国は,中国(損害額は約22億700万ドル)とロシア(同21億8000万ドル)で,「昨年と比べ改善の跡がほとんど見られない」(IIPA)。ビジネス・ソフトウエアの違法コピー率は,中国が82%,ロシアは83%。また,レコードや音楽の違法コピー率は中国が85%,ロシアは65%だった。

 違法コピー率が高い上位60カ国・領土による,2006年の損害合計は152億5000万ドル。これらの国による損害額をカテゴリ別にみると,被害が大きい順に「ビジネス・ソフトウエア」の103億4500万ドル,「レコード・音楽」の23億7000万ドル,「エンタテインメント・ソフトウエア」の19億5000万ドル,「書籍」の5億8200万ドルとなった。(「映画」の損害額は不明。)

 IIPAは今年も引き続き監視が必要な国として,中国とロシア以外に,アルゼンチン,カナダ,チリ,コスタリカ,ドミニカ共和国,エジプト,インド,イスラエル,メキシコ,サウジアラビア,タイ,トルコ,ウクライナ,ベネズエラを挙げている。

 ちなみに,日本における損害額は9億900万ドルで,ビジネス・ソフトウエアの違法コピー率は27%だった。

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