総務省は2月13日,「MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン」(MVNO事業化ガイドライン)を改正した。

 MVNOとは,携帯電話やPHSなどの移動体通信事業者から無線の設備を借り,独自ブランドでサービスを提供する事業者のこと。ガイドラインの改正でMVNOの参入促進を図る総務省は2006年12月に改正案を公表。これに対し大手携帯電話事業者は,意見募集で細部に修正を求める“条件闘争”に出ていた。

 改正案に対して修正の要望が多かったのは,接続形態と接続条件の部分。改正案では「具体的な接続形態,接続に当たってMVNOが取得する情報その他の接続条件については,一義的にはMVNOが判断すべきものであり,携帯電話事業者はこれを踏まえて接続に応じる必要がある」と記述されており,“一義的”が「一方的にという意味であれば不公平」とする意見が各事業者から出ていた。

 総務省はこの部分について「まずはMVNOが実現したいと考える接続形態を携帯電話事業者に提示すべきであり,携帯電話事業者はMVNOから提示された内容を基礎として具体的な接続条件などを協議する必要があることを述べたもの」としており,当初の「一義的にはMVNOが判断」という表現から「まずはMVNOにおいて提示」に変更された。

 またMVNOが独自調達した端末の動作確認試験に関する規定を新たに追加した。MVNO協議会の要望を受け,「携帯電話事業者が故意に遅延行為を行ったり,不合理な費用の請求を行ったりする場合には,業務改善命令の対象となる場合がある」旨の脚注を加えた。

 後は,携帯電話不正利用防止法の適用関係に関する記述の追加などがあったが,大枠に変更なし。細かい文言の修正も少なかった。